最初から上手くできないと悩む理由 教わる人と教える人の考え方
■最初から上手くやらなければいけないと思ってしまう■
何かを新しくはじめるときに、
「最初から上手くできなきゃダメだ!」
と、自分にストレスを与えてしまうことがあります。
慣れていないうちは、ミスも多いし失敗も当たり前なのですが、
仕事や勉強を覚えるときに、上司や先生に
「さっき教えたのにまだ出来ないのか!」
「何度失敗すればわかるんだ!」
と、怒られたり注意されたりすることで、
「教えられたら、最初からミスをしては行けない」
と思い込んでしまうことがあります。
教わる人が元々慣れていることに関しては、
最初からミスも無く覚えられることもあります。
しかし、その人が元々慣れていないことなどを覚えるときは、
理解して動けるようになるまでに、
慣れている人よりも時間がかかるものです。
■失敗を恐れない考え方にする■
慣れないうちは失敗するのが当たり前です。
教える方も、相手がはじめて覚えることは、
ある程度は失敗することを想定して教えるので、
いきなり失敗してしまっても困るようなことは教えません。
何かを教えるときは、練習として、とりあえず慣れさせる為に、
簡単なことから教えることが多いですね。
そうやって簡単な内容から覚えていき、
きちんと出来ると判断されたら、
本番に行くことが出来ます。
本番で失敗して怒られることもありますが、
失敗する人は、頭の中で余計なことを沢山考えていて、
失敗することが多いのです。
余計なことを考えていると、
肝心の覚えなければいけないことが頭に入ってきません。
そして、教わっているときに、
メモを取らない、という人がいます。
自分が、言われたことを頭の中だけで覚えきれないタイプならば、
メモを取れば良いのですが、
「メモを取っていると、簡単なことも覚えられない人だと思われそう」
と、人の評価を気にして、メモを取らない人もいます。
ある程度簡単なことなら、
メモを取らずに覚えられる人もいますから、
そういう人はメモを取らずとも出来ますし、
失敗も少ないでしょう。
しかし、自分が緊張などから頭が回らなくなり、
覚えきれなくなるとわかっているのなら、
メモを取りながら教われば良いのです。
それに、どんなに慣れた人でも、失敗するときは失敗します。
成功の体験が少ないときに、
「失敗してしまうのではないか」
ということばかりを考えていると、
本当に失敗しやすくなるのです。
そのようなときは、
「どうしたら成功出来るのか?」
「成功させながらもっとスピードを上げるにはどうしたら良いのか?」
というように、ポジティブに考えると良いでしょう。
失敗しないように注意しながら行う、
という考え方も、
成功する為にはどうしたら良いのかを考えながら行う、
というやり方も、結果は同じことです。
しかし、その過程でその人がどう思うかで、
成功しやすかったり、失敗しやすかったり、
ストレスのかかり具合などが、大きく変わってくるのです。
「慣れないうちは、失敗をするのは当たり前だ」
と思うだけでも、リラックスして、
余計なことを考えないようになれるでしょう。
■苦労した人は苦労を押しつけるようになる■
自分が人に何かを教えてもらったときに、
怒られながら教わった場合、
自分が誰かに教えるときも、
怒りながら教えるようになりがちです。
そうなってしまう理由は、
怒られながら何かが上手くなってしまうと、
そのやり方でしか上手くなれないと思ってしまうパターンと、
「自分は怒られながらも苦労して覚えたのだから、
自分から教わる人も同じ思いをするべきだ」
と思ってしまうパターンがあります。
無理をする人は相手にも無理を強いてきます。
しかし、そのときの本人の状態や元々の性格などから、
無理に耐えられる人と、耐えられない人がいるのです。
すべての人に、厳しい教え方をしても、
上手く行くわけではありません。
相手に応じて、教え方を変えるのも、
教える人の責任でもあります。
相手を育てるつもりで教える人は、
相手の状態をよくみて、教えるので、
無理をさせないようにしながら教えます。
ですが、相手を育てるつもりではなく、
教えなければ作業が出来ないからとりあえず教える、というような、
相手を成長させるつもりのない気持ちで教える場合は、
相手の状態を無視して教えてしまうので、
今の相手が行えるレベル以上の内容や速度で教えようとしたりして、
失敗を多くさせてしまい、なかなか上手くならないので、
怒ってしまう、ということになったりするのです。
自分が人に何かを教えるときは、相手が成長するには、
自分はどうやって教えたら良いのか、を考えると良いでしょう。
自分が人から何かを教わるときに、相手が無理を強いてくる場合は、
きちんとその速度では難しい、などを伝えると良いでしょう。
人には向き不向きというのがありますので、
早くこなせる作業もあれば、他の人よりも、
ずっと遅くなってしまう作業もあります。
もちろん、不向きだからやらなくていいというわけではありませんが、
難しいとわかっているならば、少しでも改善できるように、
自分であれこれ考える必要があります。
相手はなかなか変わりませんが、
自分が相手に何かを伝えたりすることで、
相手のこちらへの対応が変わることはあります。
言葉として言って伝えなければ、思っているだけでは、
相手は何もわからないものです。
自分が苦労して覚えたなら、将来次の人へ教えるときに、
苦労するやり方を教えるのではなく、
もっと苦労しない方法を考えて教えるようにすると良いでしょう。
■自分に起きていることを、他の人に起きていることだと考えてみる■
悩んでいるときと言うのは、
悩んでいないときには気にならないようなことが気になったり、
とらわれたりします。
そのようなときは、一度冷静になる為に、
自分に起きていることを他人に起きていることだと想定して、
「その人(自分)にアドバイスをする場合は、何を言えばいいのか?」
というふうに考えると良いでしょう。
俯瞰して自分を見ることで、我に返ることは良くあることです。
慣れないうちは何をしていても大変だったりしますが、慣れてしまえば、
「最初はなんであんなに苦労していたんだっけ?」
とまで思うようになるものです。
慣れるまでは失敗の経験も沢山積んで、
失敗することに慣れることも大切です。
全く失敗せずに成功ばかりしてきた人は、
失敗したときに、大きなストレスになります。
しかし、失敗を多く体験してから成功した人は、
失敗に慣れているので、大きな失敗しても、
失敗に慣れていない人よりもストレスは圧倒的に少なくなります。
失敗を恐れて体験を積まないと、失敗に慣れることが出来ないので、
失敗したときのひとつひとつのストレスが大きくなり過ぎるのです。
ストレスが溜まりすぎた場合は、
息抜きに自分の好きなことをしたりして、また元気になったら、
挑戦を続ければ良いのではないかと思います。
「ストレスが強いのは慣れていないうちだけだ」
と思うようになれれば、ストレスもグッと減ってくるでしょう。